秋山木工という横浜にある家具職人の集まる会社があります。
十代後半から二十代前半の若者が家具職人を目指し、
その門を叩きます。
ウチの息子や新人の先生方と同年代の若者たちです。
この秋山木工・・・・・
言うなれば、江戸時代の丁稚制度。
1年間は見習い、
4年間の丁稚期間を経て職人になる。
ケータイ・スマホは禁止!
秋山木工は、丁稚制度と呼ばれる人材育成の制度を取り入れて、
まずは秋山学校で「1年間の丁稚見習いコース」。
それから採用されると丁稚になります。
そして、4年間の丁稚期間を経て職人となるわけです。
丁稚の期間、男女問わず丸坊主です。
朝5時に起床し、朝食の支度をして、朝食の前にマラソン。
丁稚期間中は恋愛禁止・携帯電話も禁止です。
休みは盆と正月のみ。
それ以外は家族との面会・電話は許されず、手紙のみが許されているのです。
秋山木工が行っている丁稚制度は時代に逆行していると見えるかもしれませんが、
こういうのは私は必要だと感じました。
「一流の職人になるには、技術よりまずは人間性が重要」
秋山社長は、本気で一流の職人を育てるためにやられています。
一流の職人になるには、技術よりまずは人間性が重要と仰っていました。
この丁稚の期間で人間性を育んでいるのです。
実際に22歳の女性の丁稚さんがいましたが、
1分間の自己紹介をしてくれました。
そして職人心得というのを暗唱していたのですが、
自己紹介を聞いて、
その姿に、私は驚きと感動しました。
立ち居振る舞いも素晴らしいのです。
1年も経っていないのに、こんな高いレベルになるのか・・・
私も教員育成には自信がありましたが、
レベルが違い過ぎています。
本当に驚きました。
その姿だけで、
秋山木工の人材育成の仕組みがしっかりしていることが見受けられました。
秋山木工では、
入社するとまず1分間自己紹介をやるのですが、
上手くできるようになるまで何回もやるので、まる1日かかるそうです。
1分間の構成は次のようになっています。
最初の20秒で自分の生い立ちや家族の話
中間の20秒で現在どのようなことをやっているか
最後の20秒で自分の志、将来の夢
これを相手にインパクトが残るように話します。
できるまで何回も、繰り返し練習させられます。
それにしても、この1分間自己紹介には、いろいろな意味があります。
自分を見つめ直し自分を知ること
自分の志や夢を発することで天命を自覚すること
自己紹介を通じて先祖のありがたみを感じること
良い人材を採用し、一人前に育てるより、
どんな人材でも一流の人材に育てるということの方が凄いことです。
それを実行するために、
このような取り組みを行っている会社もあって、
頑張っている若い人もいる。
きっと・・・感謝の先にあるものを理解することができるでしょう。
口先だけの感謝ではありません。
まだ、まだ、パール幼稚園も甘いようです。