2018/07/23

パール幼稚園【ファンが生まれる幼稚園】終業式に思うこと


あれま、あれま・・・と1学期も終わりです。

キャンプを終え、

特に自分との格闘に勝った男子は、

明らかに、声の覇気があります。

今年も、猛暑、大暑の夏休みとなりそうです。

そのような日が続くと、

園庭の木陰は心地のよいもの。

心地よさとは・・・

引き算から芽生えるのではないでしょうか。

確かに、足し算から芽生えるものもあるでしょうけれど、

私は前者に心が傾きます。

ある俳人の弟子が、

「板の間に 下女 取り落とす 海鼠(なまこ)かな」

という俳句を作って見せたら、

師匠は、「道具建(=ムダ)が多い」といって却下した。

そこで弟子はよく考えて、

「板の間に 取り落としたる 海鼠(なまこ)かな」

と、下女を省いた。

すると師匠は、「これはよくできたが、まだいかぬ」

と言ったそうです。

さらに弟子は苦心した後、次の句を作ったのです。

「取り落とし 取り落としたる 海鼠(なまこ)かな」

それを聞いて先生は手を打って、

「それが句作の真精神である」と褒めたというのです。

余計なものを手放していく過程で、

本当に大切なものが鮮明になってくるということです。

この弟子にとって、

最も表現したかったのは、

下女でも板の間でもなく、海鼠だったのでしょう。

海鼠を取り落とした感じを、表現したかったわけです。

説明が多くなれば、

本質が見えなくなることも多く、

枝葉を取り払うように、

整頓していくことで、

根本というものが明確になる場合が多いもの。

余計なものを去っていくことによって、

シンプルな美しさが見えてくるのです。

引き算をすればするほど、

本質的なものが輝いてくるということだと思っています。

日本人の特有の感性である「引き算の美学」。

最も大切なことを最も大切にしていくということであり、

最も重要なことに心を合わせていくということでもあり、

価値観にそった生き方をするということでもあるのではないでしょうか。

1学期の節目となりました。

あらためて、自分を振り返ってみたいものです。