年2回、私立幼稚園団体では、
幼稚園教諭の免許が取得できる学校との交流会を実施しています。
目的はひとつ。
子どもたちによりよい教育環境を設定するために、
よりよい幼稚園教諭の確保と育つ仕組みを考えるための意見交換です。
今年も経営研究副委員長という立場から、
この会の進行を務めさせていただきます。
保育士不足という言葉にも馴染みがでてきましたね。
現実、保育士の採用は困難です。
そして・・・
幼稚園教諭の採用は保育士の採用より困難なものとなっています。
今年は、幼稚園の採用と保育士の採用を
同時に進行し、経験して感じることがあります。
幼稚園の採用と保育士の採用は、
まったく別物ということです。
保育士を希望して、
こられる方は、
まず一番に、有給、給与などの待遇面を気にしてくるのです。
一方、幼稚園教諭の採用では、
教育内容、職場環境という面を気にされているようです。
そして、服装、髪型、振る舞い・・・
ここにも大きな差を感じています。
今の時代、
幼稚園教諭や保育士の資格をもった方の採用は、
幼稚園、保育園だけでなく、
ファミリー層を顧客とする企業、
幼児教室といった一般企業も人材の獲得に励んでいるようです。
これも強敵。
また、
ここ数日のニュースでは、
働き方の問題など取り上げられていますが、
私たちの業界においては、
ハッピーフフライデーなどは無縁のこと。
保育士の給与のベースアップなども政策で取り組まれるようですが、
これも、実際は5人に1人程度しか対象になりませんし、
経験の浅い、若き保育士は、ほとんどが対象外です。
そして、これまた、その政策により、
幼稚園教諭と保育士の賃金の差において、
保育士有利となることは確実。
これからの時代、
ますます、幼稚園教諭の人材確保が超困難になるのです。
園児は集まるが教員がいないという園もでてくることでしょう。
しかし・・・
私たちを取り巻く現実は、
このような給与などの賃金面だけではないのです。
働きやすい職場=都合のよい職場ではなく、
働きやすい職場=努力しやすい職場=自ら進んで努力できる職場
でなくてはならないと考えています。
このことは、以前から先生方にも伝えていることで、
職場環境は園長が設定するものではなく、
ここにいる皆が創り出すことだ!と。
しかし・・・
幼稚園・・・変わらなきゃ。
なのです。
先日、「今年のUTABUTAは手抜きですか??」
と・・・保護者の方に声をかけられた先生がいます。
今年の年中クラスは制服での「歌あそび」となることをきっかけに
そのように声をかけられたようです。
年中はクラスは、
毎年のようにテーマを掲げて「歌あそび」に取り組みます。
日本の童謡、わらべ歌がテーマの時は、
浴衣や甚平を揃えていただいた年もあります。
ベットタイムストーリーをメインに綴るときは、
パジャマどを揃えていただいた年もあります。
そして、
今年は、「歌でめぐる世界」がテーマなので制服と決めたことですが、
これを冗談にも「先生?今年は手抜きですか?」などと、
声をかけられてしまった先生にしてみれば、
自分の日々の努力と研鑽は水の泡と感じることでしょう。
ご存知のように・・・
本園の歌の指導は1日で成せるものではありません。
年少からの日々の積み重ねを大切に、
毎年、毎年、
各学年の持ち味を生かし、
各学年でできるレベルを引き上げるよう、
試行錯誤しながら取り組んでいます。
ですから、
手抜きなどできる訳もなく、
できることでもないのです。
働きやすい職場=努力しやすい職場・・・
と位置付けるように。
職場環境を整えるのは園内です。
この園内ということには、
教員のみではなく、
保護者の方も加わっていることを認識してほしいと願います。
幼稚園教諭や保育士は、
保護者の方々の応援により、
努力でき、
育ち、
成長できるものです、。
そして、
その応援からなる成長は、
必ず子どもたちの成長に反映するものです。
この現実・・・
ミクロの視点もさることながら、
マクロな視点で取り組んでいく課題であることなのです。
パール幼稚園の強みは「人」だと認識しています。
変えてはいけないものは変えすに変化しなくてはなりません。
『育ち愛』の理念のもと、
これからも全力で取り組んで参ります。
皆様も、どうか、応援してください。