2021/06/22

パール幼稚園【ファンが生まれる幼稚園】どうでもいいけど大切な甘酸っぱい話。


年少児のA君。園内では、豪快な行動力がウリのちょっとした有名人。まだ、まだ、ボキャブラも少なく、してもいいこと、悪いこと、わかっていないことが多くございます。勿論、己の気持ちを伝える術もなく、直感勝負で園生活を豪快に過ごす日々でございます。そんな彼から日常、飛び出る言葉は、「ゴメンなさい」「もうしません」という言葉でございまして、彼のお得意の技のひとつでございます。彼にとってみれば、その意味はわかっていないものの、何と!!便利!!というように、その場を回避できるという言葉だとは理解しているのでございましょう。まさに彼にとっては魔法の呪文ということでございます。一学期が始まりまして3ヶ月。担任の先生だけの言うことは聞かないと・・・という防衛本能が芽生えてきたのでございましょう?園内唯一、反応する声が担任の先生の声はもちろんのことでございます。「いけません」「ごめいわく」「やめて」という言葉には、とりあえずリアクション。おうむ返しにフリーズに移行するというお上手なパターンがございます。お上手と申しますか、お調子者という表現が当てはまっているかは微妙なところでございますが、はたからして見れば、そのフリーズする姿は何とも愛らしく担任の先生のみぞ知る複雑な心境もございましょう。この3ヶ月・・・彼なりの成長はみられて参りましたが、まだ、まだ、まだ・・・風の吹くまま、思うがままに行動することがお好きなようでして、集団の中に入るというよりも、集団と一緒にいますというところが現時点では精一杯の協調性だと存じております。さて・・・ある日のことでございます。園ではちょっとした有名人のAちゃんが最年少クラスの周りを周遊しているのでございました。すると・・・突然、お空からトキメキが舞い降りてきたではありませんか。そうでございます。最年少クラスのCちゃんに恋をしたのでございます。この初恋たるものは、入園3ヶ月目の大人になってからは記憶にないような出来事でございますが、とても大切な出来事でございます。それからというもの・・・いつでも、どこでも、Cちゃん!Cちゃん!挙げ句の果てには、登園してくると自分のクラスには行かず、なぜかCちゃんのクラスに足が向くのでございます。しかもカバンも帽子もCちゃんの横に置くという几帳面ぷりっ??「Cちゃん!かわいい!!」と周囲にいる大人に伝達を繰り返しながら、Cちゃんの手を引いて1日が始まるのでございます。己の気の向くまま、思うがままに行きたいところへCちゃんの手を引いて行く姿も微笑ましくもございますが、いい加減になさい!と一喝を入れたくなることもございますが故、どこかで制御をかけないと致し方がなくもなるものでございます。一方、Cちゃんとしてみては、「かわいい」と言ってくれるし、少し嬉しそうに感じる場面も多々ある様にもお見受けいたします。もともと内気なCちゃんのことでしょうから、A君の園内、縦横無尽の行動力に魅力を感じているのでございましょうか。Cちゃんの世界は確実に広がっている様子もう亜kが得るのでございます。とはいえ、A君の力強さに腕が脱臼しないかとハラハラ見守るばかりでございます。そんなA君がCちゃんの手を引き早朝の事務室へ・・・いつものように「Cちゃん!かわいい!」と、まるで大きなぬいぐるみを抱えてくるかのように、大切に、大切に手を引いてくるのでございます。もう、独占欲丸出しデス。現代で言えば「うざっ!」と言われても仕方がないことでございましょう。これも、いつCちゃんが嫌がってしまうのかはヒヤヒヤするものでございますが、まだ、まだ、力の加減ができないA君でございます。勿論、レディーファーストたるものを知る余地もございません。彼のペース全開でございましてCちゃんの気持ちなども、いざ知らず。江戸っ子全開テヤンデェー。大切なCちゃんと言ってみても、自分中心空想世界。世界は2人のためにあるのと言わんばかりに、手をひかれ、よろめくCちゃんの姿もあるのでございます。それをみていて機転のきくO先生。これでは危ない?と察したのでございましょう。「Cちゃん!かわいいね〜」と抱きしめながら保護にかかるのでございます。するとA君の反応にスイッチが入ってしまったのではありませんか。これまた微笑ましい姿でございます。・・・O先生を悪のモンスター、いわゆるラスボスに見立てあげ、愛しの姫を守るかのように、「ダメ!」と奪還に試むのでございます。しかし、いくらか弱いO先生といえど大人と子ども・・・勝敗については語るまでもございませんが、そんなO先生の手を振り払おうと、A君は攻防を繰り返します。それでもA君はメゲズに奪還しようとしながら、Cちゃんを抱きしめるO先生の腕にピシッ!と、フルスイングで必殺!平手うち!O先生、「痛い」と泣いたふりをしても、A君にして見れば、O先生のことなんて瞳にも映ることなく、ボクのCちゃんを返せ!と・・・こういう単語は理解しているようでございます。必殺!平手打ちの連続攻撃!!その場にいた先生たちが「あっ!」と声を揃え口にしたトタン。お得意のリアクション一瞬フリーズ!!をしてみるのでございますが・・・O先生に抱きかかえられているCちゃんとしてみれば、あまりのA君の凶暴化に怖くなり泣き出してしまうのでございます。そんなCちゃんの涙が目にとまり、また、また、お得意のリアクション、フリーズ!!しかし、ここはA君ド根性。まったくメゲずに・・・奪還開始。必殺技の連打、連打、連打でございます。そうこうしているうちに必殺技がO先生の腕ではなく、間違ってCちゃんの肩に当たってしまうという始末。Cちゃんの号泣に、また、また、また、またお得意のフリーズ!!「やばっ」と感じた瞬間のことでございます。何と!そこには担任のA先生が立ちはだかっているではございませんか。まるでA君は大魔神を見るかのように、完全にフリーズ!!ショート!!我にかえって「Cちゃん!かわいいね〜。ボクのCちゃん・・・」と、話をはぐらかせてみる変形技の披露と踏み切ったのでございます。しかし、そんなことは担任のA先生には全く通用しないもの感じていたのでございましょう。出てくる言葉は魔法の呪文「ゴメンなさい」とお得意の小技での攻撃でございましたが、A先生の「A ちゃん・・・」の一声で撃沈でございました。その場から周囲にいた先生たちも、A先生もO先生、そしてCちゃんまでもが立ち去り。ポツリ。私の顔を眺めて・・・えんちょー先生と言って立ち去って行きました。果たしてAちゃんの初恋はいかに・・・果たしてA君はクラスに戻ってのでございましょうか。

今朝の出来事でございました。